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ウラン燃料のリサイクル(プルサーマル)とは

使い終わったウラン燃料からプルトニウムを回収し、
再び原子力発電所で利用することです。

 原子力発電所で使い終わった燃料(使用済燃料)には、核分裂していないウランや発電の過程で新しく生まれたプルトニウムなど、まだ使える資源が残っています。
 この使用済燃料を処理してプルトニウムを回収し、ウラン・プルトニウム混合燃料(MOX(モックス)燃料)を作ります。このMOX(モックス)燃料を再び原子力発電所で使用することを「ウラン燃料のリサイクル(プルサーマル)」といいます。


ウラン燃料のリサイクル(プルサーマル)

プルサーマルの語源
これは「プルトニウム」と「サーマルリアクター(現在の原子力発電所のこと)」を組み合わせた造語です。


使用済燃料には資源が残っています。

 使用済燃料には、新しく生まれたプルトニウムをはじめ、核分裂しやすいウラン235、核分裂しにくいウラン328などが含まれています。
 核分裂生成物以外は、まだ使える資源であり、このうちプルトニウムを回収してMOX(モックス)燃料を作ります。

発電によるウラン燃料の変化

発電によるウラン燃料の変化

MOX(モックス)燃料は核分裂しやすいウランの代わりにプルトニウムを混ぜた燃料です。

 従来のウラン燃料と形や大きさは同じです。
 ウランとプルトニウムを酸化物の状態で混ぜて作った混合酸化物燃料であることから、混合酸化燃料の「Mixed Oxide Fuel」を略してMOX(モックス)燃料と呼んでいます。

ウラン燃料とMOX(モックス)燃料のちがい

ウラン燃料とMOX燃料のちがい

発電の途中でプルトニウムができます。

 ウラン燃料は核分裂しやすいウラン235と核分裂しにくいウラン238からできています。
 核分裂しやすいウラン235が中性子を吸収すると核分裂を起こし、熱エネルギーと中性子を出します。また、核分裂しにくいウラン238が中性子を吸収するとプルトニウム239が生成され、このプルトニウム239も中性子を吸収すると核分裂し、熱エネルギーと中性子を出します。原子力発電はこの熱エネルギーを利用して発電しています。

原子炉の中でプルトニウムが生成されるしくみ

原子炉の中で生成されるプルトニウムのしくみ