会議の模様
第1回原子力安全信頼会議
平成23年10月28日、当社は第1回原子力安全信頼会議を開催しました。
冒頭、久和社長から会議設置趣旨等の挨拶の後、委員の互選により石田寛人氏を委員長に選出しました。
今回は、当社から志賀原子力発電所の概要のほか、津波に対する安全強化策の取り組み、発電設備に関する再発防止対策の取り組みを説明し、質疑応答を交えご意見を伺いました。
また、安全強化策の現場を視察いただいたほか、中央制御室など発電所の日常的な運営状況についても視察いただきました。
議事概要
1.日 時 平成23年10月28日(金) 13:30 ~ 16:30
2.場 所 志賀原子力発電所
3.出席者 【委員】石田委員長、大橋委員、大場委員、山王委員、中村委員、
菱沼委員(計6名)
【当社】久和社長、堀副社長、本林副社長、若宮常務、荒井常務、
西野志賀原子力発電所長、新村原子力部長、宮崎品質管理部長
4.議事要旨
(1)委員長の選出他
・委員の互選により、石田寛人氏を委員長に選出
・会議運営に関する細部事項について、会議は非公開とすること、議事要旨は後日
ホームページ上で掲載することを委員間で確認
(2)北陸電力からの説明及び発電所視察
・会社から、「志賀原子力発電所の概要」「志賀原子力発電所における津波に対する
安全強化策」及び「発電設備に関する再発防止対策の取り組み」について説明
・大坪川ダムなど安全強化策の現場及び中央制御室などを視察
(3)委員からの主な意見
[安全強化策の取り組みについて]
・一連の安全強化策に関し、「福島第一で起こったことが志賀でも起こらないか」という
ことだけではなく、志賀固有のリスクが存在していないかという観点も重要。例えば
志賀は日本海側でありテロの心配もある。「志賀の弱点は何で、どういう安全策を
講じているのか」という見方をして検討を行ない、しっかり説明する必要がある。
・思った以上のスピードで対応していると感じた。事故が起こったら安心して作業できる
かという観点が非常に大事。作業員は大変厳しい条件下で作業することになるので、
対策をしっかり考えるべき。
・考えられる対策はすべてやっていると思う。こうした取り組みを皆さんにいかに信じて
いただけるかが重要。どんどん外部の方々に見ていただいて信頼してもらい、早く稼動
できるよう努力してほしい。
・原子力の問題は専門性が高く用語等難しい面があるので、今後も、安全対策等に
ついてより噛み砕いた説明をお願いしたい。
[コンプライアンスについて]
・他電力のやらせ問題の件は、電力全体の問題として考える必要がある。なぜ問題なの
かをいかに気づかせるか。原子力が注目を集める中で今後どう受け止めて対応するか
が重要。
・説明会は意見を聞く場であり、企画段階からその目的を明確にして設定しなければ
いけない。他電力の場合はその場の結論を住民投票のような形にしてしまった。
・「隠さない・隠せない」仕組みに関して、会社内ではなかなか言えないこともあるので、
社外通報窓口がより有効に活用されるよう工夫してほしい。
[原子力全般について]
・現在は国が原子力政策について意思決定できておらず、地元も判断できない状態で
ある。加えて「原子力は悪」という風潮になっている。関係者の士気を維持するのが
難しい状況であり、対策をしっかりとお願いしたい。また、今後、安全規制が変わって
くる可能性があり、検討が必要。
・今後、原子力がどのような方向に行くにせよ、原子力技術者の存在は重要であり、
そのモラールの堅持は大切である。原子力関係者は、落ち着いて粛々と自信を
持って任務を続けて頂きたい。大学等では人材育成をしっかりやっていく必要がある。
・安全性について総合的に見ることができるのはやはり電力会社の社員。今までの自分
たちのやってきたことを一度否定することも含めて考えてみることが必要。
・地域住民や国民の意識と乖離した中で原子力の利用はありえない。そういう意味で、
情報をきちんと提供していく努力が大事。低線量の放射線の影響について、現在の
考え方は、一面、分かりにくいので、国際的な検討がさらに進むことを期待したい。
原子力の関係者は、失われた信頼を回復するよう地道な努力を重ねてほしい。
以 上
視察の模様