信頼性向上への取組

第25回原子力安全信頼会議

2024年5月14日,当社は原子力安全信頼会議を開催しました。

議事概要

1.日 時 2024年5月14日(火) 10:00~11:50

2.場 所 当社本店ビル

3.出席者
【委員】
 石田委員長,大場委員,髙松委員,中村委員,山口委員 (計5名)
【当社】
 松田社長,小田常務,藤田土木建築部長,放生志賀原子力発電所長,布谷原子力部長,古谷原子力本部専門部長,谷内地域共創部長,村田品質管理・原子力安全推進部長(計8名)

4.議事要旨

(1)北陸電力からの説明
 当社から令和6年能登半島地震への当社の対応状況および志賀原子力発電所の状況を説明し,質疑応答を交えてご意見を伺いました。

(2)委員からの主な意見

  • 令和6年能登半島地震では施設の健全性に問題なかったとのことだが,今後,得られた新知見を反映して原子力施設の安全性を確認していくと,現在の許容値を超える部分が出てくるかもしれないが,仮にそうであっても,耐震補強するだけでなく,安全上影響があるところまでどの程度裕度(余裕)があるのかを解析により評価し説明することを検討する段階にきていると思う。
  • 志賀原子力発電所の設備には大きな損傷等はなかったようだが,あとから見えてくる損傷や不具合もあるので,しっかりと確認してほしい。
  • この度の震災対応では,被災地へのアクセスにおいて半島特有の事情が多くあったのではないかと思う。電力会社だけの問題ではないが,半島の被災地へいち早くアクセスできる方法を複数準備しておくことが重要である。
  • 地震により主要道路がかなり損壊したため,地震発生時の避難の仕方が取り沙汰されているが,津波からの避難と原子力施設で事故があった場合の避難では,そのタイミングや方法がかなり違ったものになる。今回の地震は,原子力施設で事故があった場合にどのような対応を取るべきなのか,きちんと考える機会になったと思う。
  • 今回の地震の対応状況を見ていると,原子力施設だけではなく,地震に対する道路や電気,水道等のインフラの耐性が地域全体としてどの程度あるのかという視点で,地震に対する備えのバランスを見直す必要があると感じた。
  • より落ち着いてからでよいので,原子力防災の対応のための施設が能登半島地震による被災において役立ったことを発信してもよいのではないか。原子力防災の備えが,一般災害への備えにもなっていたことは他の原子力発電所立地地域においても重要な意味がある。
  • 東日本大震災において住民避難を強いられた地域が大幅な人口減の中で,国と一緒に新しい町作りを検討している。それらの知見も参考に,能登の復興のために北陸電力として何が出来るか考え行動してほしい。こうした行動は,地元の信頼,あるいは志賀原子力発電所の再稼働が目的ではないが,自然にそれらへの理解につながっていくと思う。
  • この度の震災を機に,新しい能登を作っていこうという動きがあると思うので,北陸電力として協力できるところはぜひお願いしたい。
  • 今回,地震・津波対応を行った電力社員の経験を踏まえ,より現実に沿った災害対応を検討し,実行できるようにしていただきたい。
  • 地震発生は元日だったが,電力業界全体での動きが早く,停電復旧支援等の取組が大変良かった。このような災害時の電力会社間の支援体制や国から連絡調整役が派遣されていたことはあまり知られていない。福井県美浜町に原子力事業者が緊急事態支援センターを設置し,事故時には他の事業者が支援する体制となっており,このような体制をきちんと発信することで,原子力防災に対する信頼感を高めることになると思う。
  • 津波は検出できなかったと誤った情報をプレスにて説明したことに関しては,プレスに至る前に関係者の誰かが誤りに気づくべき内容であり,強く反省していただきたい。また,放射性物質の放出に関わるような事態であれば,その可能性がある時点で速やかに対外公表すべきだと思うが,そうではない場合は速やかさより正確さを重視するのか等,今回の事例を元に,あらためて国と議論し,意思疎通を図っておくべきではないか。
  • 情報発信の問題について,会社として公表ルールを予め定めておくことが必要である。例えば,発生した事象に関して「異常がない」のか「対応が必要」なのかということに分類して発信する,情報を組織の外に出す際には必ずダブルチェックする,確定的でない数字を出す際は幅をもたせて伝えるなどが重要である。
  • 安全を前提として原子力発電所を活用することは,地球温暖化防止の観点からも,重要なライフラインである電力の安定供給の面からも大切であることから,より安全な原子力発電所を目指して尽力していただきたい。

5.社長総括コメント
 今回の地震は,我々がかつて経験したことのない「未曽有の災害」となった。これを単に大変であったと終わらせるのではなく,能登の復興を力強く支援し,委員の方々から頂いたご意見も踏まえて,原子力の安全性をより高め,皆様から信頼いただける企業となるようしっかり事業運営に当たっていきたい。



会議の様子 1

会議の様子 2

会議の様子 3