会議の様子1
第24回原子力安全信頼会議
2023年10月26日,当社は原子力安全信頼会議を開催しました。
議事概要
1.日 時 2023年10月26日(木) 11:30~15:00
2.場 所 志賀原子力発電所
3.出席者 【委員】石田委員長,大場委員,庄田委員,髙松委員,中村委員,
能木場委員,山口委員 (計7名)
【当社】松田社長,小田常務,福村常務,
藤田土木建築部長,放生志賀原子力発電所長,
布谷原子力部長,古谷原子力本部専門部長,
谷内地域共創部長,村田品質管理・原子力安全推進部長
(計9名)
4.議事要旨
(1)北陸電力からの説明
当社から「志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(地震津波関係)の状況」および「志賀原子力発電所に
おける安全性向上に向けた取り組み」を説明し,質疑応答を交えてご意見を伺いました。
また,志賀原子力発電所2号機原子炉建屋内等を視察していただきました。
(2)委員からの主な意見
<志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(地震津波関係)の状況>
・
地震動審査では,不確かさをどのように取り込むのかが重要な論点であり,審査に対する予見性を持つためにも,
先行プラントで地震動の不確かさをどのように評価して,どのように審査されたのか電力大で取りまとめてほしい。
・他プラントでは規制側から示された審査の論点を中心に議論した例があり,審査のやり方として合理的である。
そのような工夫を規制側,電力双方で取り入れていただきたい。
・敷地内断層等の問題をクリアできたことで,社員のモチベーションが上がっているか気になっていたが,社員と接
し声を直接聞いて,モチベーションの高さを感じている。今後もモチベーションを維持する取組を継続していただ
きたい。
<志賀原子力発電所における安全性向上に向けた取り組み>
・志賀2号機の現場は広くて作業しやすいとの説明があったが,それは他の原子力発電所との比較の話であり,一般
的な工場に比べれば特殊で厳しい作業環境にあると思うので,そのことを常に意識しておくことも大事である。
・視察した現場は整然としていたが,他社では再稼働に向けた工事において現場が足場で交錯し労働災害が起きてい
る。また,作業者の人数が増えてくると様々な問題が顕在化するおそれがあることから,安全に関する取り組みに
ついて,これまで以上に気を引き締めて工夫しながら進めていただきたい。
・現場の機器や作業の様子を実際に近くで見て,間違いが起きないように一つひとつ細心の注意が払われていること
がよく分かった。また,そのような原子力発電所における現場の安全確保に関する考え方は,他産業でも参考にな
ると感じた。
・女性運転員からの要望で,現場の操作架台を小柄な人でも使い易いように改良したことにより安全性が高まったと
会社から評価された話を聞いた。大変すばらしいと思う。
・何か異常等を見つけた場合,自分一人で判断せず迷わず報告することは大切である。ただし,報告するだけを自分
の任務と考え,指示待ちの姿勢となってしまわぬよう,自律的に行動できる人を育てていくことも重要である。
・自分の失敗談を所員の前で紹介している事例の説明があったが,失敗の話をしようとしない社員が多いといった話
を聞いたことがある。話をしやすい環境を整えても性格的に言いづらい社員もいると思うので,誰でも安心して発
言ができるよう心理的安全性の整備に留意いただきたい。
・過去を振り返るアーカイブエリア※に人が集まるようにするためには,展示等を充実させるだけでなく,ここに集
まるきっかけとなる仕掛けを工夫してはどうか。
※ 臨界事故事象および事故隠しに関連する資料を常設展示したエリア
・運転中の他社の発電所に研修のため所員を派遣しているとのことだが,派遣された方は北陸電力の良い面と悪い面
の両方を感じ取っていると思うので,戻った際に彼らから話を聞けば,他の所員に新たな気付きを与えることがで
きると思う。
<全般>
・現場を案内した所員が地元出身者と聞いて,地元の方々から志賀原子力発電所に対する一定の理解・信頼をいただ
いていると感じたが,今後ともより一層の理解・信頼をいただけるよう努めてほしい。
・志賀原子力発電所は国内では新しいプラントであり,現在も建設経験者が残っていることが強みである。しかしな
がらそうした方々も徐々に定年になられることから,現在の強みをいかに残していくかを考えて,より高い安全性
を実現していただきたい。
5.社長総括コメント
今後とも何でも言いやすい雰囲気を作り上げていく活動にしっかり取組み,何かあれば迷わずに報告してもらい情
報を皆で共有することにより,安全で地元の皆様にご安心いただける発電所を目指していく。
また,今回4年ぶりに現場を視察いただき,委員の方々から多くの貴重なご意見を頂いた。今後,新規制基準適合
性審査が進み,安全性向上工事が徐々に増えてピークを迎えることになることから,頂いたご意見を肝に命じながら
再稼働に向けた歩みを着実に進めていきたい。
会議の様子2
会議の様子3
視察の様子